金属じゃなく光触媒としてのレニウムってどんなの?
レアメタルの一種として金属買取されるレニウムですが、実はもうひとつの顔があるとご存知でしょうか。
実はレニウムは、光触媒としても利用されます。
レニウムについてより詳しく知っていただくため、今回は光触媒としてのレニウムについてお伝えします。
光触媒ってそもそも何?
「光触媒ってそもそもどんなもの?」と疑問を抱えている方がいらっしゃるかと思います。
そういった方へ向けて、光触媒としてのレニウムをご紹介する前に光触媒の基本的な知識をご紹介します。
光触媒とは環境浄化材料のことで、光が当たることによる酸化作用を利用し、化合物・細菌のような有害物を取り除くことができるものです。
光とは特に紫外線を指します。
また、光触媒にはいくつか働きがあります。
今回はその中から3つの働きを紹介します。
大気浄化の働き
空気中の有害物質を除去する性質を使って、コンクリートや建物の外壁に利用します。
脱臭の働き
アンモニアや硫化水素を分解する性質を使って、空気洗浄機やカーテン・壁紙に利用します。
浄水の働き
水中に溶けている汚染物質を分解・除去する性質を使って、ガラス食器・浄水器に利用します。
光触媒の利用で重要なのは、まんべんなく触媒に紫外線が当たることです。
紫外線が当たった箇所が作用を起こすので、効率的に触媒を利用するには、光が全体に行き届くようにする必要があります。
光触媒としてのレニウム
「金属のレニウムが光触媒にどう関係あるの?」と感じている方がいらっしゃるかもしれません。
実は、レニウムが光触媒と関係するのではなく、レニウム錯体と呼ばれる化合物が光触媒と同じ働きをします。
レニウムの金属イオンに配位子の分子が結合すると、レニウム錯体と呼ばれる化合物が形成されます。
レニウム錯体は黄色い結晶をしており、その二酸化炭素の還元光触媒機能があります。
そのため、人工光合成の研究に頻繁に利用されています。
また、光増感剤の役割と触媒機能を同時に果たすのもレニウムの特徴です。
中でもリン化合物を配位子にもつレニウムは、二酸化炭素還元が効率よく行われるのみならず、一酸化炭素の生成量子収率が高いとされています。
そのため光触媒と同じような用途で利用されます。
関連ページ
レニウムの需要と価格
タングステンとレニウムの用途って?
まとめ
今回はレアメタルではなく光触媒としてのレニウムについてお伝えしました。
金属にのみ利用されていると思われている元素には、レニウムのように他の用途があることも珍しくありません。
金属について詳しく知ることは、このように他の分野にも精通するきっかけになるかもしれません。
売買を考えている金属について調べてみると、面白い発見があるかもしれません。
また、金属売買を検討中の方は、当社にぜひご相談ください。