FOMC待ち
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- 2013.06.17
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明日からのFOMCを前にして、身動きが取れない週明けの市場。
5月末にバーナンキFRB議長が出口戦略に言及したことから始まった混乱ですが、改めて現状を整理してみましょう。そもそも議会証言では、「労働市場とインフレ懸念に応じ、適切な金融政策スタンスを維持するために、資産の買い入れベースを拡大、もしくは縮小する用意がある」と発言しています。市場は縮小の言葉に過敏に反応している状況ですが、実際は縮小も拡大もあり得ると、偏りがある発言内容ではありませんでした。また、出口戦略のトリガーとして、労働市場=失業率6.5%・インフレ2%と数値目標を設定していますが、いずれも数字を満たすことは出来ていません。確かに米経済指標は改善しており、緩やかな景気回復の歩みは確認でします。しかし、量的緩和の縮小を決定するほどの強さはないです。
今回のFOMCでの量的緩和縮小発表を予想するアナリストの声はなく、予想では早い予想で9月。大半は12月以降となっています。IMFも年内の資産購入は正当と太鼓判を押しており、個人的にも年内は無理だと考えています。
従って、今回のFOMCで最大の注目点はFOMC後のバーナンキFRB議長の発言内容。議会証言と同じく中立的な立場であろうと出口戦略を匂わせる発言があれば市場には非常に大きなネガティブサプライズとなります。逆に早期の出口戦略を明確に否定するような発言があれば市場は一気にリスクオン相場となるでしょう。
金はドル建て価格では1300ドル後半に張り付いたまま、国内価格は為替によって激しく動く展開が続いています。最もボラリティの高くなっている為替は、黒田日銀による異次元緩和前の水準となる93円台まで円高となってしましました。円安への加速が急だった分、戻りも急激でした。FOMCでサプライズがない限りはここからの円高は限定的だと思われます。
FOMCを切っ掛けとして、そろそろ反転攻勢に出るものと期待したいですね。