ECB・英・中が金融緩和も相場は下落
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- 2012.08.22
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注目のECB理事会は政策金利を予想通り0.25%引き下げて、0.75%としました。
利下げはしたものの0.50%引き下げを期待した向きがあったことと、南欧債の大量購入や長期資金供給が見送られ、議論もなかったとのドラギECB総裁の発言でやや失望を誘う結果となりました。やや欧州情勢に一服感がある現状では、踏み込んだ対策は温存したかったのが本音でしょう。
そして、ほぼ同時刻にECBに続き、英国・中国が金融緩和を発表。
英国では国債買取による量的緩和を6.2兆円へ拡大。
中国は2か月続けての利下げ。今回は貸出基準金利と預金準備金利を下げています。
予想されていた通り、世界各国で景気減速感を打破すべく金融緩和の波が広がってきました。日本でも来週に日銀金融政策会合が予定されています。今回の会合での追加緩和は見送られる公算が高いですが、その場合の円高には注意が必要でしょう。
ECB・英国・中国による金融緩和で相場は上昇するかと思われましたが、米国時間に入り急落。
原因は本日発表される米雇用統計の前哨戦ともいわれるADP雇用統計が大きく改善したこと。予想を大きく上回る17.6万人増となったことで、今夜の米雇用統計に対する悲観的な見方が訂正されました。これはQE3期待の後退にもつながり、市場はパニック的な急落となりました。
貴金属も金が1620ドルから約20ドルの急落。銀・プラチナも前日までの金融緩和期待による上昇分を吐き出す形になりました。
今回の米雇用統計の悪い結果に対する過度な期待が調整されたことは良かったのではないでしょうか?ちょっと期待感が先走っていたような気がします。
しかし、ADP雇用統計は案外あてにならない指数なんですけどね…。