6月FOMC議事録公開
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- 2017.07.06
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祝日明けの米国で6月FOMC議事録が公開されました。
内容は6月の会合での利上げは8:1で決定したものの、軟調なインフレ指数への懸念を示すメンバーも何人かいた模様。イエレンFRB議長はインフレ鈍化を一時的なものであり、失業率の改善からの賃金上昇が物価を押し上げるとの見方を示していましたが、全面的な賛同は得られていないようです。年内あと1回、2018年に3回の利上げ見通しを維持していますが、現実的には見通しを引き下げる方向へ動いていきそうな雰囲気です。
そして利上げと並ぶ金融引き締め策であるバランスシート縮小については、会見で具体的な内容まで踏み込んでいたため、いつ始まってもおかしくない状況であると思われていましたが、実際は2カ月以内の開始と、年内のより遅い時期まで先送りして、市場の動向を見極めるべきとの意見で割れていたようです。
いずれにしろFOMCメンバーの中でも意見はまだ統一されておらず、次の引き締め開始時期も不透明であり、その一番の原因はインフレ指数への懸念であるという事。9月バランスシート縮小開始、12月利上げというコンセンサスに変化はありませんが、状況次第では先送りもあり得るでしょう。
FOMC議事録の影響は限定的ですが、本来ハト派であるイエレンFRB議長が強気に変遷したことで、よりタカ派的な内容も予想されていただけにやや安心感がでました。
また、懸念されている原油相場が急落し、この日発表された米製造業新規受注も弱い結果となったことでドル高は一服。そして急落していた貴金属はドル高一服を受けて切り返しの値動きとなっています。
週末の米雇用統計までまだまだ相場は荒れそうです。