6月米雇用統計は大幅改善
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- 2016.07.11
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注目の6月米雇用統計は非農業部門雇用者数が28万7000人増と市場予想17万5000人増を大幅に上回りました。尚、失業率は4.9%と予想の4.8%より悪化しましたが、これは労働参加率の改善による影響です。このところ雇用指数は改善を続けており、今回の結果を踏まえサプライズとなった5月米雇用統計は一時的なブレと片付けられることになります。
大幅改善となった米雇用統計を受け、市場の初動はドル高・米長期金利上昇。貴金属も売り込まれ、金は1335ドルまで急落となりました。しかし、米雇用統計の細部が検証され、平均賃金が予想を下回ったことや、5月就業者数の下方修正など粗も目立ち、さらには英EU離脱により、雇用統計が改善しても米利上げも急げる状況にないことが改めて意識され、結局はリスクオンで初動の値動きはなかったことに。終わってみれば金は1370ドルを突破しています。
今回の米雇用統計だけでなく、このところの米経済指数は好調そのもの。ただ、すべての数字は英離脱決定前のものであることが不安材料。イエレンFRB議長は英離脱の影響を見極めるスタンスであることを考えればその影響が一巡するまで当分の間、利上げは出来ないと見るのが妥当。しばらくリスクオンの展開となりそうです。