FOMCはサプライズ
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- 2014.03.20
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プーチン大統領がクリミアを併合すると表明。
そしてクリミアにあるウクライナ海軍本部をロシア軍が制圧。制圧の際に死者も出たとのことで緊張が高まるウクライナ情勢。
強硬なロシアに対し、ウクライナ暫定政権は激しく反発し、CISの脱退という行動に出るようです。経済制裁を科した欧米は、次なる手段としてロシアのG8からの追放を検討。
ロシアとウクライナとの軍事衝突の可能性が高まっていますが、市場はウクライナ情勢に反応が薄くなりました。これはプーチン大統領が、クリミアは併合するが、他地域(ウクライナ東部)の併合予定はないとの発言から、事態は拡大しないと市場が判断したため。
プーチンは市場をもうまくコントロールしています。
市場の関心事である昨日行われたFOMC。
緩和縮小は100億ドルの月550億ドルに決定。
そしてフォワードガイダンスであった6.5%が近づいてきた失業率については、数値基準を撤廃。ただし、政策方針そのものの変更は意味しないとのこと。
ここまでは想定の範囲内でしたが、サプライズはイエレンFRB議長の記者会見で起こりました。FRBは今秋に資産買い入れプログラムを終了させるとの予想を示し、その後6ヵ月後に金利の引き上げを開始する可能性があると発言。
金利の引き上げは早くても来年半ばとの見方が大勢でしたが、利上げ時期の前倒し。それ以上にサプライズなのが、FRB議長が具体的なスケジュールに言及したという事。思えば昨年もバーナンキ前FRB議長が出口戦略のスケジュールを口にしたことで市場は急落しました。
市場の過度の期待感を抑制し、来るべきショックに耐性を持たせるという意味もあるのでしょうが、超ハト派であると考えられていたイエレンFRB議長のキャラクターも含め、今回の発言は如何なものかと思います。
新興国への配慮はなく、ウクライナ情勢も踏まえ、どんどん内向き傾向が強まる米国には注意が必要です。やはりパスクアメリカーナは末期なのでしょうね。
貴金属はFOMCを受け急落。ウクライナ情勢も加味されず金は1330ドル台。高値追いから一転しての底値探りとなっています。