相場天気予報MARKET FORECAST

祝日の市場は大荒れとなりました。

まず2/10のイエレンFRB議長議会証言。

米労働市場の改善を根拠に米経済は回復傾向にあるとの見方を維持し、利下げが必要な状況に突入するとは思っていないとしたものの、中国・原油相場に不確実さがあり、海外経済の動向が米経済成長にリスクをもたらしているため、結論を急ぐことに慎重でいたいと述べました。

要するに、足下景気が悪いのは承知しているが、3月利上げについては完全に排除せず、これからの経済動向も踏まえて上げ下げを判断するという従来のスタンス継続です。

市場はより踏み込んだハト派発言を期待していたはずで、結果としては満足のいく発言内容ではなかったはずですが、なぜか3月利上げ見送り観測に市場は大きく傾いていきます。

イエレンFRB議長議会証言に加えて欧州では主要銀行の業績不安が拡大し、世界経済の不透明感が一層強まりました。市場は混乱し、資金は安全性を求め貴金属・円・米独国債に殺到し、金は一気に1260ドルを越え、円は110円台まで急騰。まさにパニック相場です。

急激な円相場の変動に、日銀の為替介入が噂されています。昨日すでに介入に入っているとの話も。

リーマンショック以来の危機到来と見るべきかもしれません。

そして怖いのが、リーマンショック時と違い、打てる手が限られているという事。もうこれ以上の量的緩和や利下げが大きな効果を生むとは考えられません。伝統的手段が尽きかけている以上、非伝統的な予想もつかないような手段に打って出る可能性もあります。これが市場の不安感をさらに高めることにもつながります。

来週からは春節祭明けの中国勢も戦線復帰。混乱が混乱を呼ぶ市場です。