連夜の失望 失望の夏
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- 2012.08.22
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ECB理事会後、ドラギ総裁は記者会見で流通市場におけるイタリア・スペイン国債買い入れに向け準備を進めていると発言。ECBによる市場介入は、当該国が要請し厳格な条件および監督を受け入れることが必要になるとの考えをしましました。
また、バイトマン独連銀総裁は債権買い入れに慎重な姿勢を崩さず、ドイツの譲歩は得られなかったようです。
先日のFOMCと同様に来月の追加緩和への含みは持たせましたが、思い切った対策を期待していた市場は具体性のない内容に肩透かしを食らい失望。
今回のECB理事会の開催前に「私を信じてください」「あらゆる手段を講じる」とドラギECB総裁は発言していましたが、結果は大言壮語でした。
危機が高まっていた先月末の材料のない状況下で、何とか市場の崩壊を食い止めるべく果敢にユーロ防衛への強いメッセージを発信したドラギ総裁。例え今回のECB理事会で結果が得られなくても男気は見せてくれたと思いたかったのですが、会見ではイタリア人らしいともいえるヘタレを連発。
「先週のロンドンでの発言でECBの債務逸脱を示唆していない。」
「ロンドンでは再建プログラムに言及していない」
「あらゆる措置とは、目的達成のため規模が適切であるという意味」
今後この人の発言は話半分と思った方がよさそうです。
すぐにでも南欧国債買い入れがスタートすることを望んでいた人も多かったのですが、現実的にもESMに対してのドイツ憲法裁判所の審理が下される9月までは身動きが取れない状態でした。欧州はもやもやした物を引きずりながらも夏休み入り。
今夜は米雇用統計が控えています。来月のFOMCでの追加緩和に大きな影響を与える材料なので要注目です。
貴金属相場は大きな失望にも関わらず下げは限定的。金は1590ドルあたりで粘っています。
いずれにしろ欧米の追加緩和は時間の問題。大きく売るわけにはいかないでしょう。
これで9月中旬まではBOX相場継続となりそうですね。