貴金属は正念場
- UPDATE
- 2014.09.12
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ドル高からくる円安・貴金属安の流れが止まりません。
昨日発表された米新規失業保険申請件数は1万1000件増加の31万5000件と悪化したものの、ほとんど材料視されず。
また、ウクライナ情勢を巡り、EUがロシアへの追加制裁へ踏み切るとの見通しが強まり、オバマ大統領はシリアのイスラム国を破壊すると空爆承認するなど地政学的リスクも高まってはいますが、市場への影響は限定的。
市場は米早期利上げしか見えていないような状況です。
欧州ではスコットランド住民投票にロシア制裁が重しとなるユーロ。日本では消費増税実現に向けた景気テコ入れのための追加緩和観測。一方的なドル高に対し、対抗できる通貨が見当たりません。
無国籍通貨たる側面も併せ持つ貴金属も当然のように落ち込み続け、金は今年の最安値に迫り1230ドル台。1200ドルのサポートライン防衛も怪しく見える弱さです。
それにしても一気に下落することなく、5ドル・10ドルと下髭もつけずジワジワ下値を切り下げる今の局面は嫌ですね。もっと大きな急落となった方がアク抜け感も強く、切り返しも早くなるのでしょうが…。
107円まで円安が進んだことで国内貴金属価格の下落は限定的。しかし、ここまでくるとこれ以上の為替サポートを望むのも厳しいところです。ここからが貴金属にとって本当の正念場でしょう。