続落相場
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- 2013.05.19
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週末の貴金属市場は大幅続落。
強い米経済指標を背景にドル高が一段と強まりました。
ドルインデックスは84.21まで急騰し、為替は103円台に突入。
金はドル高に押され1360.2ドルに急落しています。1350ドル割れは阻止しましたが、まだ底は見えてきません。4月の急落時のような現物買いも勢いが衰えています。安値慣れや、更なる下落の可能性が高まる中で、急いで買い求める動機が弱くなっており、前回の安値を割り込み、1200ドル台も否定できない状況です。
このような状況の中、注目が集まっているのが5/22のバーナンキFRB議長議会証言。一貫して金融緩和継続の姿勢を崩していないバーナンキFRB議長のスタンスに変化が生じるのではないかとの見方が強まっています。事実、バーナンキ議長に近いとされるハト派であるウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁は、先週出口戦略について言及しました。自身の任期切れも刻一刻と近づいてきており、何らかの決断をする時かもしれません。
米経済回復は既定路線化し始め、ドル高トレンドも定着してきました。しかし、これは米国にとって本当に望むべき形なのかと考えれば疑問が残ります。QE1からの大型財政出動により、米国は途方もない国家債務を抱えることとなりました。当初の目的は米経済の回復であり、それは達成されつつありますが、今度は残された巨大債務の縮小という非常に困難なミッションへの変化となります。債務返済を考えれば自国通貨高(ドル高)は歓迎すべき材料ではありません。いつまでもドル高を容認することは自国の首を絞める事となります。
また、昨今の金融緩和の早期縮小観測にしても、背景となっている米経済の回復は金融緩和のたまもの。出口に向かえば経済回復は鈍化し、わが世の春状態の株価も大きなダメージを受けるものと思われます。
出口戦略への転換は簡単ではありません。