米雇用統計大幅改善でも空気は変わらず
- UPDATE
- 2016.01.12
- GATEGORY
- OTHER
連休明けの日本ですが、激しい相場が続いています。
まず、週末に発表された注目の米雇用統計は非農業部門雇用者数が29.2万人増と市場予想20万人増を大幅に上回る改善で、失業率も3カ月連続で5%を維持。前2カ月も上方修正されるなど申し分ない結果となりました。
中国発の世界的株安が良好な米雇用統計を受けて落ち着きを取り戻すかと期待されていましたが、9日に発表された中国消費者物価指数が6年ぶりの低水準となったほか、生産者物価指数も4年連続の下落となったことでチャイナリスクが一段高。週明けの中国株は3度の急落となる-5.33%下落。
さらに中国株と同様下落に歯止めのかからない原油も下げ、NY原油は31ドル台を記録。一方でNYダウは雇用統計の改善が意識され4営業日ぶりの上昇。
貴金属は原油下落・新興国不安を受け全面安。金こそ1100ドル割れとなっても粘っていますが、白金系・銀は底抜け状態。南アフリカランドの急落も効いています。
2016年の相場はクラッシュ状態となっていますが、VIX指数は24台と落ち着いたまま。特筆すべきイベントのない中で、急落に対する大した反発もなしにひたすら売られ続けている不気味な相場で、原油と中国株・元安の下落に目途が付かないことにはどうしようもありません。
悪い空気を一変させるにはイエレンFRB議長による利上げ凍結か黒田日銀バツーカのようなド級の一発が必要です。