米雇用統計前に欧州・エジプト問題
- UPDATE
- 2013.07.04
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7月に入り比較的平穏であった市場を揺るがす事態発生。
まずは欧州リスク再燃。
ポルトガルで財務相・外相が相次いで辞任。政権崩壊も懸念される中、政局の不安定化が嫌われて国債利回りが急騰しています。
また、ギリシャでは金融支援が紛糾。遅々として進まない財政改革に業を煮やした支援団が、ギリシャ政府に改革の進捗を報告するように要請。従わない場合は最悪3カ月間の支援停止もあり得るとのこと。
同じ金融支援を仰いでいる両国ですが、これまで粛々と財政再建に取り組んでいた模範的なポルトガルに対し、問題発覚後も全くと言っていいほど身を正すことができないギリシャと対照的です。ある意味、問題児のギリシャではなく、優等生とみられ得ていたポルトガルで問題が発生したことの方が懸念される事態かもしれません。
現状、欧州債務問題は何も解決しておらず、ただ時間を稼いでいるだけです。今後も継続的にこのような問題が各地で勃発するでしょう。
そしてエジプトではクーデター。
デモの拡大を懸念した軍部が憲法を停止し、モルシ大統領を解任。その後アドリ・マンスール最高裁判所長官へ権限移譲しました。アラブの春で民意により政権についたモルシ氏でしたが、民衆は今のところ軍部の行動を支持。しかし、モルシ氏の支持組織は未だ激しく反発しており、混乱の収束は容易ではありません。アラブ諸国への影響も懸念されます。
地政学的リスクの高まりで原油は高騰し、金はリスク資産として買われました。100円を越えて推移していた円も、リスク回避先となり再び99円台。
昨日発表された米ADP雇用統計は予想以上の改善となりましたが、欧州・エジプトのニュースで影響は限定的。
本日は米国休場。明日の雇用統計前に、他の要因も複雑に入り組んできました。