米雇用統計は大幅改善 金は動ぜず
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- 2013.03.09
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米雇用統計はサプライズともいえる強い改善となりました。
非農業部門雇用者数は前月比23万6000人増と事前予想16万人増を大幅に上回り、失業率も0.2%低下の7.7%。このところの強い経済指数を裏付けるような数字であり、着実な米景気回復を印象付けました。
この結果を市場は素直に好感。NYダウは4日連続の最高値更新となり、ドルも一段高。
為替ではドル高円安で一時約3年7か月ぶりとなる96円台半ばまで円安が進行。95円の壁を破ったことで上値が軽くなっています。
一方で、追加緩和期待の後退とドル高で圧迫された金は、雇用統計発表直後に約15ドルの急落。そのまま下値を試す展開になるかと思われましたが、2時間後にはほぼ同じ水準まで戻し、終値ベースでは前日と変化なし。
急落必至の状況で堪えたのは、バーナンキFRB議長&イエレンFRB副議長による金融緩和継続への強いメッセージと、継続的な雇用回復に対する警戒感が未だぬぐえないことにあるようです。また、強制歳出削減の影響も懸念されており、手放しで楽観的になれる状況ではないとの冷静な見方でしょう。
ドル建て金価格は2月27日以降、1580ドル付近の小移動で収まる極めて拮抗した状態となっています。現物買いとファンド売りがせめぎ合っていますが、攻防が長期化すれば当然のごとく保有期間の長い現物派が勝利します。
そろそろ底打ちから反転攻勢へ出そうな雰囲気が出てきました。