米追加緩和に対する過度の期待は控えるように
- UPDATE
- 2012.08.22
- GATEGORY
- OTHER
昨日はリスク回避一服。
危機的な状況が続く欧州で、ECBメンバーであるノボトニー・オーストリア中銀総裁がESMに銀行免許を付与する可能性について前向きな姿勢を示しました。ESMが銀行となれば、理論的には各中銀から無制限の資金借り入れを行うことができ、債務危機解決に向け大きな手段となります。夢のような話ですが、現実的には当然のように問題が多く、現時点でも賛同者は少ない状況です。
しかし、欧州債務問題解決のために努力している姿勢を市場は評価。行き過ぎ感があった
ユーロ安に歯止めがかかりました。
米国ではいつもの追加緩和期待が今度は高まったことで市場に買い戻しが入りました。
米WSJ紙が、米国の弱い経済状況が欧州債務問題の影響でさらに悪化する可能性が高く、経済成長や雇用促進のために追加措置を講じる方向に近づいていると報道。
追加緩和期待でドル高も調整されました。
貴金属もリスク回避からの買い戻しの波にのり久々の大幅上昇。
ここにきて何もないと考えられていた8月1日のFOMCでのサプライズが意識され始めました。仮にここでなかったとしても9月のFOMCでは何らかの追加措置が取られることが確実視されています。つまりQE3を含む追加緩和は織り込まれつつあり、発表があってもその効果は限定的になるのではないかとの懸念でています。
金はQE3があった場合でも史上最高値を抜くような爆騰は難しく、せいぜい1700ドル台までとの見解が大勢です。
ECB・FOMCとビックイベントが終われば欧米は本格的に夏休み。薄商いの中、値が飛ぶ8月が待っています。