米デフォルト回避とその爪痕
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- 2013.10.17
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米債務上限協議は合意に至り、16日中に上院下院を通過し、大統領署名も完了。
最悪、世界恐慌も意識させられたデフォルトは回避されました。
しかし、可決された法案は政府資金が来年1月15日まで、連邦債務上限は2月7日までの引き上げであり、つまりは先延ばし。3カ月ほどの間に再び協議されることになりますが、再度の政府機関閉鎖のリスクも残ることとなりました。
ギリギリまで協議が長引いたことで恐怖感は高まりましたが、終わってみればやはりプロレスごっこだったという印象。先日格付け会社フィッチが格下げの可能性を示唆しましたが、2011年格下げ時は債務上限協議がまとまった直後に格下げ発表がありました。今回も米国の債務上限を巡る混乱は市場に強い悪印象を残しており、格下げ懸念は燻ります。
政府機関は明日から再開されることとなり、延期されていた経済指標も遅まきながら発表されてくるでしょうが、それとともに今回の混乱による被害も明らかになります。これはバーナンキFRB議長が恐れていた事態であり、政治の混乱による経済的損失の後始末はFRBの仕事となるでしょう。米緩和縮小は先延ばしされた債務上限問題が片付く後の3月(19.20日)まで難しいのではないのでしょうか?
貴金属は米債務上限協議の進展で激しく上下しましたが、合意後の値動きは静か。もう一段の下落も覚悟していましたが、米国に嫌気したようにドルも軟調。今夜の米市場の動きは要注意ですが、決まってしまえば材料出尽くしで一服ということでしょか?