消えない米早期利上げ観測
- UPDATE
- 2016.09.14
- GATEGORY
- OTHER
FOMC前のブラックアウト期間に入り、米金融要人発言も打ち止め。最後に発言したブレイナードFRB理事が早期利上げに慎重な姿勢を改めて示したことで早期利上げ観測は後退し、市場の9月利上げの織り込みも15%程に低下。
しかし、市場には安心感が漂ってもおかしくない状況にもかかわらず、9月利上げに対する警戒感が消えません。
根本としてイエレン議長をはじめとしたハト派も含め、FRBは出来ることなら早期に利上げしたいという思いが透けてきていることがあります。次なる危機に備え、政策手段の確保は重要な問題であり、ここで利上げができれば、逆に今後の利下げ余地もできることになります。仮に9月利上げを見送っても、12月には利上げできるとの見込みですが、これはあくまで突発的なイベントが起こらなければという但し書きが付きます。現実的には、全く憂いのない完全な状態で利上げが出来ることはなく、どこかでリスクを取って踏み切らねばならないという話であり、条件的には9月利上げに踏み切れない理由も絶対ではないように思えます。
市場もこの辺りの事情を感じ、利上げ先送りを確信できない疑心暗鬼の状況に陥っているのでしょう。結果的にリスク回避に市場は動き、昨日のNYダウは258ドルの急落。
貴金属もドル高を受け、金は再び1320ドル割れ。円安のフォローも入っていますが、国内市場の軟調地合いが続きます。