欧米の政治リスク
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- 2013.03.03
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貴金属はフラフラとしながらも何とか踏み止まっているような印象を受けます。
市場には景気回復懸念に加え、欧米の政治リスクという要素が加わりました。
欧州ではイタリアは総選挙の混戦の結果、連立政権を組むことができなければ再選挙となる危機的な状況。ベルルスコーニ氏も市場の大きな混乱は自身の首を絞めることにもなると理解はしているのでしょうが、どこまでお互い歩み寄ることができるのでしょうか?ギリシャに続く南欧の愚行を市場は冷めた目で見ています。
景気回復観測から、早期の量的緩和縮小が意識されていた米国では、3月1日の強制歳出削減期限までに交渉がまとまらず削減がスタート。徐々に歳出削減が行われ、混乱は極力避ける努力がなされるとのこと。これに対し市場は今のところあまり材料視していないかのような動きを見せています。
しかし、民主党と共和党の対立は深刻化していることが確認されました。この対立は本丸である債務上限引き上げ交渉にも大きく影響を与えます。前回の債務上限引き上げ交渉は長期に渡り、最終的にまとまりはしたものの米国債格下げという事態を招きました。今回はどこで妥協することができるのでしょうか?
貴金属に対しては相変わらずファンドの売り意欲が強い状態。値ごろ感からの実需買いはあるものの、上抜けていけるだけのパワーはありません。逆に金の下値は1520ドルという強い抵抗線があります。ここを抜けるにはもっと大きな材料が必要でしょうが、仮に抜けた場合にはしばらく上昇は難しくなるでしょう。
為替を含め、ボラリティの大きな相場が続きそうです。