欧州懸念強まる 米利上げ観測は後退
- UPDATE
- 2016.07.07
- GATEGORY
- OTHER
英EU離脱による警戒感が再び強まってきました。
最短2年という離脱までの猶予もあり、一旦市場は落ち着きを取り戻していましたが、やはり英離脱による影響は避けられません。英不動産ファンド解約停止やイタリア銀行の経営不安、さらにはドイツ銀行の危機的状況も伝えられるなど、欧州では次々に悪材料が浮上。市場のリスク回避が進む展開となりました。
一方、米国では6月ISM非製造業総合指数が発表され、56.5と市場予想53.3を大幅に上回る改善となりました。このところの米経済指数は悪くなく、再び年内利上げ観測が強まってもおかしくない状況ともいえます。そして、市場の米利上げ時期に対する関心が強まる中で公開された6月FOMC議事録は、「米雇用情勢や英EU離脱問題の影響を見極める為、利上げは舞うのは賢明」と一致していたことが判明。さらに、同日タルーロFRB理事が、2%というインフレ目標に向かうとの確信が持てるまで利上げは必要ないと発言。
これにより米国経済が堅調でも、利上げは当面ないとの認識が市場に広がり、リスクオフも一服。NYダウは上昇し、リスクオフで上昇していた金・銀は上値を削る展開となりました。また、為替も100円前半まで円高が進みましたが、終値で何とか101円を回復しています。
ドル建て貴金属価格・為替の両方が激しく動く不安定な状況がまだまだ続きそうです。