欧州は問題山積も市場の関心は米国に
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- 2012.08.20
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先日、救済基金の拡大が決定されたユーロで失業率が発表。
3月ユーロ圏失業率は10.8%と前月10.7%から悪化。1997年4月の10.9%以降で最悪の水準です。次なる火元と噂されるスペインは23.6%とユーロ圏最悪の数字で、一方の救済者たるドイツは5.7%と域内格差が更に拡大しています。
失業率だけでなく景気鈍化も続いており、昨日発表されたユーロPMIは47.7%と前月を下回っており、分岐点50を8か月連続で割り込んでいます。ドイツが主張する緊縮財政の影響も大きく、財政的にも心理的にも爆発が起きる可能性が高まっていると思われます。
一方、米国では3月ISM製造業景気指数が発表され、前月52.4から53.4と改善を見せています。順調に回復を見せていた米経済でしたが、このところ発表される景気指数が悪化してきており、懸念が広がっていたところでの好結果に市場は安堵しました。
欧州での警戒感が米国で払しょくされ、VIX指数は低下しNY株は4年3か月振りとなる高値と、リスク選好は高まっています。
前月までなら米経済回復=出口戦略が早まる=貴金属下落というフローでしたが、今回は貴金属は下落せずリスクオンの流れに乗り上昇。図式が変わりました。
今週末には米雇用統計が予定されています。改善が予想されていますが、その結果を受けて貴金属市場がどちらに動くかは悩ましいところです。
ドル建て価格上昇にもかかわらず国内価格は下落。昨日より1円以上円高に動いたことが大きく影響しました。為替も振り幅が大きくなってきました。