様々な要因が交錯する市場
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- 2016.09.30
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様々な要因が交錯する市場です。
まずはドイツ銀行に対する破綻懸念が増大。
米当局から巨額の制裁金を求められ窮地に陥っているドイツ銀行ですが、この件以外にも多くの訴訟を抱え、さらにはドイツGDPの何倍もの巨額デリバティブを抱えているといわれています。早々にメルケル首相が救済拒否発言をしたことで、破たんリスクが一段高となり、ファンドも同行からの資金引上げ。
ドイツ銀行自身の株価も急落を続けていますが、影響が金融システム全体に広がるとの懸念が強まり世界的な株安に連鎖し、NYダウは195ドルの値下がりになっています。
米国では昨日、第2・四半期GDP確定値が発表され、+1.4%と改定値+1.1から上方修正。市場予想+1.3%も上回る好調な結果に加え、米金融要人から早期利上げを示唆する発言が相次いでいることから、再び米利上げが意識されることとなっています。
そして、驚きの原油減産合意となった原油市場ですが、サプライズが一巡した後は現実的な実効性への疑問から急伸は一服。これからの動きを見極める展開となっています。
整理すると、ドイツ銀行破たん懸念は長期的に貴金属にとってプラス材料。ただ、目先は株価の急落が収まるまで連れ安になりやすい展開。そして、米利上げは仕切り直しですが、ドイツ銀行などの問題がこれ以上大きくならない限りは年内利上げが既定路線で、貴金属にとってはマイナス材料。ただ、長期間利上げ問題にさらされているだけに、影響は限定的かも。原油相場の上昇は単純にプラス材料です。
全体的に資金が落ち着かない状況ですが、今日で9月が終わり、月末・四半期末を乗り切ることになります。ここから貴金属に戻ってきそうな気配を感じますが…。