日米欧のイベント 地合の弱い貴金属
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- 2015.02.19
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昨日開催された日銀金融政策決定会合は現状維持。
先日発表された低調なGDPを受けても緩やかな回復基調という認識は変わらず。追加緩和は逆効果であったという一部報道には反論し、今後も必要であれば躊躇なく対応(追加緩和)すると発言。但し、いま直ちに追加緩和の必要はないとしました。
予想通りの内容であり、総裁会見も無難なものでした。現状でこれ以上踏み込んだ発言をする必要はなく、大過なく通過。市場の反応も限定的でした。
欧州ではギリシャ債務問題を巡り協議が続いています。
ギリシャは18日に提出するとしていた融資延長要請を19日に延期。延長要請はするものの、ギリシャの条件は未だ取り下げていません。ギリシャとしては20日の期限を前に、何とかつなぎ融資という形で時間的余裕を確保し、そのうえで財政緊縮についてもっと譲歩を引き出したい狙い。
一方のユーロ側は現状の救済プログラムの実行が融資条件であるという姿勢を崩さず、話し合いは平行線。
デフォルト・ユーロ離脱を盾にしたギリシャのチキンランは続いていますが、それでも市場はギリシャ救済に楽観的な見方が大勢。最悪のシナリオは回避されるのでしょうが、玉虫色の時間稼ぎのような妥協が図られる気がします。
米国では1月FOMC議事録が公開。
景気判断を上方修正したことで、早期利上げ観測が高まったタカ派的FOMCと位置付けられていた1月FOMC。実際の議事録では、堅調な景気回復という認識ながらも、拙速な利上げは米景気回復を腰折れさせかねないという懸念が示され、利上げに慎重な姿勢が確認されました。これを受け、行き過ぎた利上げ前倒し観測が後退しています。
貴金属にとって昨日のイベントは以下のようにとらえられました。
△日銀金融政策決定会合
×ギリシャ債務問題
○FOMC
ギリシャ問題の解決期待からリスク後退で売り込まれていた金は、一時1200ドル割れ。その後時間外にFOMC議事録効果で急反発し、1210ドル台を回復。下髭は付けましたが、底打ち確認とはいきません。FOMC議事録の影響が一巡するまでに、どこまで値を上げることが出来るでしょうか?
それにしても、昨日のFOMCで調子の良い時の金ならもっと飛び出しても良かったのですが、やはり地合は弱いとみるべきでしょう。ギリシャ問題も見方を変えれば貴金属にとってプラス材料となる出来事です。さらにウクライナ停戦も守られていません。
大きな流れが変わらない限り、目先の戻りは直ぐに売られてしまいそうです。