改めて利上げを考えると
- UPDATE
- 2015.09.14
- GATEGORY
- OTHER
いよいよ今週に迫ったFOMC前に、市場は神経質な動きを見せています。
改めて現状を整理すると、米国が最も重視してきた雇用情勢についてはほぼ問題ないレベルにまで到達した一方、インフレ率は目標を下回りテコ入れも必要な低レベル。ドル高による不安は残るものの、国内だけを見れば9月利上げは現実的な選択肢。
しかし、先日の中国経済失速に端を発した世界同時株安に現れたように、世界経済は米利上げに耐えられるような状況にはなく、仮に9月利上げを強行することになれば世界的な大混乱は必至です。その混乱はまわりまわって米国にも深刻なダメージを与えることになるでしょう。その時は利上げどころではなく再びQEということになるかもしれません。
現実的に見れば無理して9月に利上げをする必要はないという事になるのですが、金融に携わるものとしては選択肢の確保という面でも、何とかして早期に利上げまで持っていきたいのが本音。FRBは利上げペースを下げることで市場のコンセンサスを得ようとしていますが、市場は思ったように反応していません。
貴金属相場について考えると、9月利上げとなれば市場の総崩れにより貴金属も急落することになるでしょう。しかし、悪材料出尽くしで戻りも早く、下落ステージから局面が変わることになるのではないでしょうか?
一方、利上げ見送り時には市場のリスクオンに乗り上昇はするでしょうが、結局は利上げが先送りされただけなので、上値は限定的でしょう。
いずれにしろ結論は今週でます。