延焼する欧州債務問題
- UPDATE
- 2012.08.22
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欧州情勢がさらに悪化。
スペインで各自治州の財務問題が表面化し、金融支援に続き財政支援を要請するのではないかとの懸念が高まりをみせ、スペイン10年債利回りは7.55%と最高値を更新。
元祖欧州債務問題であるギリシャでも、IMFがギリシャの債務削減の実効性に疑問を唱え、支援を停止する可能性が浮上。ギリシャ支援におけるトロイカ体制に早くも歪が出てきています。これに関してはギリシャの自助努力次第ですが、今までの経緯を踏まえて考えれば支援受け入れ条件を達成することは難しいでしょう。
そして、スペイン・ギリシャの債務問題の先行き懸念がついに救済国にも飛び火し、ドイツ・オランダ・ルクセンブルグというユーロ圏のトリプルA優等生諸国の格付け見通しが、「安定的」から「ネガティブ」に変更されました。
ユーロ圏債務問題解決に向けてのコストが雪だるま式に増えていくと考えられ、その負担を見越しての格下げです。今後もユーロ圏諸国の格下げが続く可能性が高いでしょう。
欧州債務問題の悪化でリスク回避がさらに進み、市場は全面安。
貴金属も大きく売られ、金は一時1565ドルまで下落。銀も27ドル、プラチナは1400ドルを割れてきました。
アジア時間から欧州時間までの急落は底割れを起こしたような展開に思えましたが、NY時間に入り相場は切り替えしを見せました。
切り返しの原因はスペイン・イタリアでの空売り規制によるもの。しかし、空売り規制では一時的な効果しか見込めません。
本日スペイン経済相とドイツ財務相の会談が予定されています。ここでドイツが救済に対してどれだけ前向きな姿勢を示せるかに大きな注目が集まります。