夏枯れ相場に北朝鮮情勢
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- 2017.08.09
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前日までの動きに対する揺れ戻しでドル高・米長期金利の流れで進んでいた市場でしたが、北朝鮮情勢の緊迫化を受けてリスク回避に一変しています。
まず米ワシントンポストが、北朝鮮が小型化した核弾頭の製造に成功し、保有する核兵器は最大60発に上る可能性があるとする分析を国防総省がまとめたと報道。
これを受けトランプ大統領が北朝鮮に関する重大な声明を発表するとしました。同日発表されたその内容は、「北朝鮮はこれ以上アメリカに対して脅しを見せるべきではない。さもなければ北朝鮮は世界がこれまで目にしたことのないような炎と猛威に直面することになる」と攻撃的な発言。
そして、今度はトランプ大統領の発言に対抗するように北朝鮮・朝鮮中央通信社(KCNA)が、北朝鮮はグアムへのミサイル攻撃を慎重に検討していると報道。
瀬戸際外交どころかレッドラインを踏み越えることも厭わないような北朝鮮の強硬姿勢に対し、トランプ大統領も体面もあり引くに引けない状況。お互い弱腰なところを見せる訳にはいかないチキンレースの様相です。
地政学的リスクの高まりでVIX指数は約1か月ぶりとなる高水準まで上昇。
ドル高・米金利上昇で下落していた貴金属も北朝鮮情勢を受け盛り返しています。為替にとっては円高要因ですね。
夏枯れ相場に北朝鮮情勢の緊迫化という材料が放り込まれまれました。今回も杞憂に終わればよいのですが、地政学的リスクは些細な行き違いから大きな事態に発展することも往々にしてあります。事態が現実となれば日本もダメージは避けられないと思われるだけに、今後の動向が気にかかります。