問われる貴金属の存在意義
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- 2013.12.24
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緩和縮小決定で明暗がはっきり分かれてきました。
貴金属市場は逆風の中でかろうじて踏み止まっている印象。一方で、貴金属と同じく緩和マネーの受け皿として膨張していたはずの株式市場は絶好調。NY株は連日の最高値更新となっており、日経平均もついに1万6,000円越え。本格的な米景気回復期待から、勢いが止まりません。
それでも中国・インドといった現物主義の国は買い続けるでしょうが、短期的な利益を追い求めるファンドはよりパフォーマンスの良いものに資金をシフトするのは当然です。貴金属は売り買い拮抗しながらもファンドの瞬発力に現物派は押されます。
ドルが立ち直る気配を見せる中、代替資産としての金が輝きを失いつつあります。
こうなってくると改めて問われる貴金属の存在意義。
ただ、このまま順調にFRBが利上げまで持っていけるかがポイント。来年中に利上げまで持っていけるような状況になれば貴金属はダメでしょう。
緩和縮小のスタートは市場にうまく受け入れられました。しかし、今後も多くの問題が山積していることは間違いなく、そこでも緩和規模を縮小し続けることができるかは疑問。危機に際し、緩和規模を再び拡大させるようなことになればドルの信認は地に落ちるでしょう。
また、緩和縮小が開始されるとはいえ、市場にばらまかれたドルは膨大な量です。景気回復を妨げぬよう資金を回収していくのも至難の業。一歩間違えば現状のデフレ傾向がインフレに反転してしまう危険性も十分有ります。
何でも治りかけが一番危ないのです。