動くに動けない貴金属相場
- UPDATE
- 2012.08.20
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特にイベントのない中、週末のフランス・ギリシャ選挙結果を受け市場は軟調に推移しています。
フランス大統領選は現職のサルコジ氏を社会党オランド氏が破りました。
従来の緊縮路線を否定し成長路線を掲げ当選したオランド氏と、「メルコジ」とまで言われたサルコジ大統領のパートナーであったメルケル首相との関係が注目されます。選挙向けに過激とも取れるパフォーマンスを展開したオランド氏でしたが、これからの実務に当たっては現実路線を選択するとの見方もあります。現実的には大きく方向性を変えるほどの選択肢は残っておらず、過度な警戒は不要なのかもしれません。
一方で、ギリシャ総選挙の結果は深刻なものです。
政権与党は第一党の座こそは死守したものの、第2党には緊縮反対派が躍進。連立を組んで過半数を占めることができない公算が高まっています。連立を組めなければ再選挙となり、不透明感は長期化することになります。
EUも新政権の行方次第では支援活動に支障が出ると警告を発しており、再びデフォルト・ユーロ脱退が現実味を帯びてきました。
追い詰められたギリシャ国民は自暴自棄な行動に出るかもしれません。冷静な判断が求められます。
悪材料が続いている市場で、貴金属は軟調に推移しながらもレンジはキープ。状況に不透明感が強すぎ、動くに動けないようにも見えます。
先週末の米雇用統計の悪化でQE3期待が高まっていることも貴金属の下値を支える要因です。次は10日のバーナンキFRB議長講演に注目が集まります。