メルケル独首相の軟化で全面高
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- 2012.08.22
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メルケル独首相がドラギECB総裁の「ユーロを守るために必要なことは何でもする」との発言をドイツのアプローチに「完全に即したもの」と支持。
さらに、欧州危機解決に向けたプロセスを速やかに進めることが需要であり、欧州首脳は正しい方向に進んでいるとの認識を示しました。
ECB国債買い入れにおいて最も高いハードルであるドイツが軟化したことにより、危機解決に向け大きく前進したと市場は好感。
また、米国でもこの日発表された経済指標が思わしくなかったことで追加緩和期待も高まり、市場は全面高となりました。
リスクオン相場でユーロは上昇しドルは売られ、ダウ平均も1万3250ドル11セントと約3カ月半ぶりの高値。
貴金属も急騰。特に低迷が続いていたプラチナは約40ドルと一気に値を上げてきました。南アフリカの鉱山での混乱も急騰を後押ししています。
現在の状況を整理すると、ユーロ防衛のためには来月のECB理事会での国債買い入れをはじめとした思い切った手段の行使は避けられないと思われます。ユーロは破綻寸前の危機的な状況に追い込まれており、これ以上の先延ばしはドイツにとっても悪い影響しか考えられません。メルケル首相の昨日の発言もそれを裏付けています。
しかし、一方で米国は景気低迷や高い失業率に悩まされていますが、株価は高く現状は危機的な状況とまでは言えません。財政の崖懸念を踏まえればこのタイミングでのQE3も考えられますが、虎の子のQE3を発動するには依然抵抗は強いでしょう。また、ECBが追加緩和に動けば市場環境は改善することも踏まえれば、9月FOMCでのQE3は難しいでしょう。
幸いなことに貴金属相場はQE3を大きく織り込んでいる状況にありません。下げても1550ドルくらいまで。そこに確実視されるECB国債買い入れが実現すればBOX相場の天井を抜けていくと考えているのですが…。
あとは難解な欧州人のプライドが問題ですね。