ポジティブな米雇用統計を受け上昇?
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- 2014.05.07
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GW明けの金市場は連休前から比較し、20ドル以上の上昇となっています。
今年は貴金属にとってデビルウィークとなりませんでしたね。
大きな要因は2日夜の米雇用統計。
非農業部門雇用者数は28万8000人増と市場予想21万人増を大幅に越え、失業率も6.3%まで低下。
雇用者数28万人8000人増は2012年1月以来となる記録的な数字であり、過去2か月の数字も上方修正。フォワードガイダンスとしての役目はなくなりましたが、目標にしていた失業率6.5%も達成。今回は強気の見方が大勢でしたが、予想の更に上を行くサプライズな結果となりました。
強い米雇用状況が確認されたことで、
出口戦略の前倒し観測が強まる→ドル高→貴金属急落
というフローになるかと思われましたが、市場は素直に反応しませんでした。
なぜなら今回の非常に強い米雇用統計の背景には、1978年以来の低水準に落ち込む低い労働参加率があり、また、労働者賃金もほとんど伸びておらず、単純に雇用統計の数字だけみて喜ぶことが出来ないからです。
ただ、この事情は以前から指摘されていたことであり、非常に強い数字に比べればインパクトは弱いと思うのですが…。
腑に落ちない部分も多いですが、混迷が続くウクライナ情勢という根深い問題もあり、米雇用統計後の市場は株安貴金属高という結果に。為替もドル安に動いたことで円は101円台まで円高が進行。教科書どおりにはいかないものですね。
今夜はイエレンFRB議長講演が予定されていますが、強い雇用統計の結果を受けても、出口戦略のスケジュールに変更はないでしょう。市場にとってはウクライナ情勢の方が影響大でしょうか?