ファンドに売り崩された貴金属
- UPDATE
- 2012.12.19
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そろそろ動きが出てくるかと考えていた貴金属でしたが、昨日は急落という形で動いてきました。
昨日の材料としては2つ。
S&Pがギリシャ国債を「選択的デフォルト」から「Bマイナス」に引き上げ。
米国では、ベイナー下院議長が提示した譲歩案が共和党内の支持を得たことで、財政の崖回避に向けた協議が進展するとの期待が高まりました。
両ニュース共に世界経済の安定に向けて喜ばしい材料であり、リスク資産は上昇しましたが、貴金属にとってはネガティブに働きました。欧米共に緊張が緩和されたことで、貴金属の安全資産として買われていた部分が剥落。金は1700ドルから急落し、一時1660ドルを付けました。銀も約1ドルの急落。一方でプラチナは景気商品としての部分が評価され下落は限定的でした。
昨日の欧米のニュースは本来ここまでインパクトはなく、大きく状況が変化したわけではありません。ここまで大きく下げるとは予想外です。
真相としては今回の急落は経済的事情ではなく、ファンドに売り崩されたようです。
なぜファンドが売りに走ったのかは謎の部分。年末の手仕舞いだけでは説明がつきません。
このところ売りを誘発するようなファンドの動きが続いており、暫く注意が必要でしょう。思わぬところで落とし穴が空きそうです。
国内価格はドル建て価格の急落にもかかわらず下げは限定的。円安も勢いを失っていません。値動きの激しい年末になりそうです。