イラク情勢で金急騰 明暗がわかれた貴金属
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- 2014.06.13
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動きが出てきた貴金属市場。
昨日はリスク回避の動きを受け、安全資産買いで金・銀は急騰。
このところ注目されていなかった中東情勢。イラク北部で勢力拡大を続けるイスラム教スンニ派武装組織が首都バグダッドの進軍を宣言し、バグダッド付近で激しい戦闘となっています。イラク政府は米国に空爆依頼をしたとの事。今のところ動きはありませんが、オバマ大統領は米軍による攻撃の可能性も排除しないとしたことで俄然緊張は高まっています。
スンニ派武装組織はアルカイダと繋がりがあり、米国としては黙ってはいられないでしょう。オバマ大統領も再び弱腰を見せれば、秋の中間選挙への影響は必至。イラク情勢に注目です。
また、地政学リスク以外にも米経済指標の悪化も金市場に追い風となりました。
5月米小売売上高は0.3%増と市場予想0.6%に届かず、新規失業保険申請件数も31万7000件と予想を上回る増加。
リスク回避の市場で、高値にあった米株式には格好の売り時。
金と銀は急伸。一方で白金系(プラチナ・パラジウム)は急落と貴金属でも明暗分かれました。先日は南アフリカ鉱山の労使交渉決裂から買われていたプラチナでしたが、昨日労組側が鉱山会社の提案を受け入れたとの報道。ストライキ締結への期待が高まり、相場は結局往って来いの状況で約30ドルの下落。
プラチナの急落で金の上昇は抑えられた形です。