イエレンFRB議長のトーンダウン
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- 2014.08.25
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22日のジャクソンホール・イエレンFRB議長講演は予想通りサプライズなし。
10月の量的緩和終了後は、雇用情勢の状況を見極めながら利上げ時期やペースを慎重に判断するとしました。
しかし、従来の「超ハト派」なイエレンFRB議長から「超」の文字が取れて「ハト派」的にトーンダウンしたような印象は否めません。それだけタカ派の勢いが増しているという事でしょう。どこまでイエレンFRB議長が抵抗できるでしょうか?
ジャクソンホールで改めて労働市場について言及されたことで、8月米雇用統計(9/5)への注目がさらに高まることになりました。突き抜けた数字でなくとも、20万人という目安を越えれば利上げへの圧力は強まり、結果9月FOMCでのアクションにつながる可能性が高まります。
9月FOMCで予想されることは、出口戦略スケジュールについての言明。以前イエレンFRB議長が緩和終了から利上げ開始までの期間は6ヵ月と発言し、市場に大きなインパクトを与えたことが思い起こされます。
貴金属はややタカ派的となったジャクソンホールでの結果を受け下落基調継続。
金は1270ドル台で推移しています。1270ドルの抵抗線は依然強固ですが、抜ければ一段安となりそうな瀬戸際の水準です。現状では悪材料はほぼ出尽くし感もありますが、底打ちというには不確定要素が多すぎます。少なくとも米雇用統計まで底抜け警戒です。
一方でやや沈静化していた地政学的リスクに動きあり。
ロシアの人道支援物資を運搬するトラックがウクライナ政府の許可なしに国境を通過。当然ウクライナは重大な国際法違反と激しく反発して緊張が高まっています。
ウクライナ情勢については、28日(木)にベラルーシでウクライナ・ロシア・EUの首脳協議が行われること。互いに引くに引けない状況であり、ここで完全決着とはいかないでしょうが、協議に進展があれば一時の緊張緩和もあり得ます。